その扉は人用の、大きな扉だった。
トランプみたいに小さくなっている今の体では、とても開けられる物じゃない。
「困ったわ…体はいつ元に戻るのかしら」
扉の前の草むらで立ちすくむ。
すると突然、地震のような揺れが辺りを襲った。
それと同時に目の前の大きな扉が開く。
「あーあ、最悪!あのブスのためにこんな泥臭い所を探さなきゃいけないなんて」
「文句を言わないでくれる?女王様のご命令だよ」
「一々言われなくても分かってるってば!」
私は思わずその場にしゃがみ込み、伸びた木々に姿を隠す。
扉を開けて現れたのはハートとスペードだった。
大変だ、どうしよう。
今、見つかってしまったら__。
鼓動が早まるのを感じながら、大きな葉っぱの影に身を寄せる。
「っていうか前から思ってたけど、スペード…お前は生意気なんだよ。年下のくせにさぁ」
「階級は同じ兵長だよ。年上も年下もない」
「ほらそう言ってすぐ反論してくる!可愛げがないやつは女王様から嫌われちゃうよ」
「ハートこそ、口ばっかりで仕事もろくにできないやつは女王様から捨てられるんじゃない?」
口論を始めた二人を見て、ある事に気づく。
扉が、開いたままだ。



