「ありがとう、ネコさん。私、やってみるわ」
私はネコさんにお礼を言うと、小瓶の中身を一気に飲み干した。
ネコさんはゴロゴロとノドを鳴らす。
「せいぜい捕まらないように頑張りニャア」
そう言い残し、ネコさんの体は消えていく。
次に瞬きした時には気配すら残っていなかった。
一方で私の体も変化していく。
少しずつ周りの物が巨大化して…いや、私の体が小さくなっていく。
そして扉が蹴破られた時には、すっかりトランプと同じ背丈にまで縮んだ。
「アリスはどこだ!?」
すぐに四人分の騒がしい足音が響き渡り、私は慌てて小さな扉へ駆け込んだ。
扉を閉めると、むせ返るような土の臭いがして顔をしかめる。
「ここは…何?」
そこには背の高い植物が辺り一面に生えていて、床は全体が土で埋め尽くされていた。
森の中のような部屋だけど、私の体が小さくなっているからそう見えるだけで…本来は小さな花壇なのかもしれない。
「とにかく、逃げなくちゃ…」
私は土の上を進んでいく。
水を含んでいるのだろうか。
湿ったそこは足が沈んでしまい、動き辛い。
「よいしょ…」
スカートを持ち上げながら大股で前を目指す。
次の扉がどこにあるかも分からないまま、必死に歩き続ける。
泥だらけになりながらしばらく歩いて疲れもたまってきたころ、ようやく目の前に扉が現れた。
だけど…。



