「お前達!早くあの不届き者を追いかけなさい!」
地を這うような怒声に、すぐさま四人分の声が重なる。
『承知致しました、女王様!』
ガンッ__!
ゴンッ__!
ドガッ__!
扉の向こうから殴りつけるような音が響く。
揺れる扉は、きっと長くは持たない。
私はとにかくキッチンの奥に向かった。
だけどそこにはテーブルと、その上に置かれた食品があるだけ。
扉は見当たらなかった。
「嘘でしょう?行き止まりだなんて…」
このままじゃ捕まえられて…処刑されてしまう。
…そんなの嫌。
だけど、どうすればいいのか分からない。
扉から鈍い音がした。
「お前じゃそこから出られないよ!さっさと出てきな!」
「往生際の悪い罪人だね」
「じゃ、オレ達が引っ張り出してあげなきゃ」
「女王様のために、一刻も早く捕まえないとっすね~」
持っていた武器を振り回しているんだろうか。
それとも蹴りつけてる…?
四人の男の子達の声に私は体を震わわせた。
もう、ダメかもしれない…。
「大人しく捕まれば、処刑は撤回してくれるかも」
次第に折れていく心から、弱々しい淡い期待が芽生えた時。
頭上で呑気な声が響いた。
「それはオススメしないニャア」



