囚われアリスは館の中


目の前には…同じ通路が広がっていた。

真ん中の白い道、土から生えた奇妙な植物、壁を伝う曲がりくねったツル。

どこを見ても、さっきと同じ薄暗い不気味な通路。

開けっ放しの扉から後ろを振り向く。

そこにも、同じ光景。

確認するまでもなく、今来た道だった。

じゃあ、目の前の通路はさっきの通路とは別物…?


__どうしたの。


扉を閉めると同時に声が聞こえた。

耳元で、はっきりと。


__どこにいくの?


__そんなに急いで。


__ここにいなよ。


悲鳴を上げたくなるのを必死にこらえて、勢いよく地面を蹴った。

同じ道をひた走る。

声を置き去りにする速さで。

白い道にそって、足を動かした。

また扉を開ける。

同じ光景がそこにあった。

それから何度となく扉を開けて、走ってを繰り返したけど目の前の風景は変わらない。

同じ道。

目の前に広がるのは薄暗い、不気味な通路。


「…どうしよう」


早くお家に帰りたいのに。

足が止まり、私は考えた。

どうすれば、この通路から出られるんだろう。


__ふふふ。


笑い声が聞こえる中で、乱れた息を整える。

…その時、後ろから声がした。


「こんな所で迷子になったのかい、アリス」


振り向くと…そこには誰かが立っていた。

…いや、違う。

“浮いていた”。