囚われアリスは館の中


「えっと…この先に道は繋がっているかしら?」


一人で呟く。

部屋の奥に目を凝らすと、キラキラと金色の装飾のされた扉があった。

そこに行くためには道を歩かなければいけない。

だけど…。

私は足元を見た。

そこに広がる“道”は…とても細長い。

私の足の半分くらいの細さしかない。

この白いバラ園の通路として使われているのだろうその道は、たぶんトランプ専用の道。

人が歩く想定で作られていないから、こんなに細いんだろう。


「どうしよう」


考えたけど、先に進まないと外には永遠に出られない。

私はそろりと足を踏み出した。

トランプ達は皆、バラの茎に登ってペンキを塗っているから踏みつける心配はない…けど。

隙間があまりない通路だから、どうしても体がバラに当たってしまう。


「何をするんだ!」


「ああ、女王様の大切なバラが散る!」


「揺れる!落ちる!なんて酷い子だ!」


トランプ達から上がる抗議の声に、私は眉を下げる。


「ごめんなさい、少しだけ通らせて…」


体を横にねじ込み、細い通路を強引に進む。

なんとか反対側まで辿り着いたのもつかの間。

トランプ達の文句の言葉に耐えきれず、急いで次の部屋への扉を開けた。