「あれは…トランプ?」
手のひらサイズのトランプに、長い手足がついている。
私は見間違いかと思い、目を擦った。
そして、もう一度シャンデリアの上で手を振るそれに目を凝らす。
…やっぱりトランプだ。
口をポカンと開けてその光景を見ていると、今度は下から高い声が響いた。
「今から行くよー!待っててくれー!」
すぐさま下を見る。
私が目指していた扉の前に、数枚のトランプ達が立っていた。
そのヒョロリとした手はしっかりとロープを掴んでいて、一枚ずつ上へと登っていく。
「あなた達、何でわざわざロープを登るの?この白い階段を使えばいいんじゃない?」
私の言葉に、トランプ達はロープをよじ登りながら応じた。
「ぼく達、今からシャンデリアを掃除するんだ」
「階段はシャンデリアに繋がってないから、ロープを使って登るんだよ」
トランプ達の話を聞いて、私には疑問が浮かぶ。
「既にシャンデリアの上にいるトランプは、どうやってロープを持ってあそこまで登ったの?」
「それは、あの場所まで行ける通路があるからさ」
一番下でロープにぶら下がるトランプが答える。
彼は他のトランプ達より登るのが遅いのか、ゆっくりとした動作で手足を動かしていた。



