遊園地は、駅から歩いてほんの5分程度だった。


最近新しくリニューアルしたばかりで、どのアトラクションも綺麗だ。


私たちのすぐ真横を、物凄い早さでジェットコースターが走る。


そのあまりの早さに、絶叫系が苦手な私は思わず身震いをした。


「うっわー、すごい早さ!加奈ちゃんは絶叫系いける人?」


田口くんがジェットコースターを見上げながら問い掛ける。


「いや、遊園地来といてなんだけど…実はだめなの。」


「マジで!良かった〜、俺もなんだよ!」


田口くんから返ってきたのは意外な答えだった。

絶叫系だめなんだ…。

なんか、可愛いかも。



「そうなんだぁ、私だけかと思ってたから安心した。」


「俺も俺も!加奈ちゃんがいて良かったよ。若菜も那智も絶叫系好きだしさぁ…。」



加奈ちゃんがいて良かった。


田口くんの言った何気ない一言に、心がきゅうっと締め付けられた。