当日、私は少し早く待ち合わせ場所に到着した。
まだ誰も来ていない。
今日、楽しい1日になるといいなぁ。
そう考えながら駅前のガードレールに腰をかける。
遊園地は駅のすぐ近くにあり、ジェットコースターの音や人々の笑い声が聞こえてくる。
憂鬱な気持ちが、少しだけ晴れた。
うん、きっと楽しい1日になる!
そう考え、うつむいていた顔を上に上げる。
「よっ!」
「きゃぁ!!」
すぐ目の前には田口くんの顔があった。
「なんだよ、きゃーとは失礼だなぁ。」
「だって田口くん…いきなり目の前にいるんだもん。ていうかいつからいたの!?」
田口くんを目の前にして、少し顔が熱くなる。
だめだ、そんなの間違っている。
「いま来たとこだよ。つかなんか暗くなかった?結構待った?」
「ううん!全然!ただ下見てただけ!」
私がそう答えると、田口くんはにっこりと笑ってくれた。

