あたし恋をしてるかも【恋愛短編集】


「お、おい。マジで泣くなよ!嘘だっつってんだろアホ!」


「うっ…アホは大和だぁ〜!」


涙と鼻水で、私の顔はひどいことになっている。

みっともないのはわかってはいるが、どうしても止まらないのだ。


私の泣く姿を見て、さすがに先生も反省したのだろう。

ぎゅっと強く抱き締めてきた。


「わ、悪かったよ…七瀬。泣かないでくれ。」

先生の、優しい目。

切なげなせの目が、やっと私を泣き止ませた。


「あのな、本当はこんなことがしたかったんじゃねーんだよ。言いたいことが…あるんだ。」


「うん、大和…もう大丈夫だよ。」


私もにっこりと笑って、その大きな腕を抱き締める。


たばこの匂いと、先生の温もり。

気持ちいい。


「七瀬、まだ先の話だけど、お前が高校を卒業したら…俺と一緒に…住んでくれねぇか?」


それは予想外の言葉だった。

もちろん、同棲の話にも驚いたが…。

あの大和が、下手に出てお願いをしている!!