怖いよ、先生。
怖いよ、大和。
ねぇ…。
言葉が見つからない私を見て、先生が話し出した。
「そうか、無理か。無理、なんだな…俺たち。」
「えっ?」
先生、何を言ってるの?
俺たちは無理だって、どういう意味?
それじゃぁまるで、私たち、別れるみたいな…。
嘘、だよね?
「や、大和…?」
「いいんだ、七瀬。ごめんな。」
先生はうつむいて、こっちを見てくれない。
やっぱり、別れる気なんだ。
信じられないけど、先生、本気なんだ…。
別れるなんて、嫌だよ!
離れていても、好きでいたいよ!
寂しくたって、我慢するから。
だから、私は…。
一生、大和と笑い合っていたいんだよ!
頭の中で、たくさんの言葉が駆け巡る。
だけど、ひとつも声にはならない。
「七瀬?」
ふいに、先生と目が合う。
ヤバ…
泣きそう。
私はこの場から逃げ出そうと、席を立ち上がる。
しかし、瞬時に先生に腕をつかまれ、その反動で私は先生の腕の中にすっぽり包まれた。

