あたし恋をしてるかも【恋愛短編集】


「しょーがないじゃん。先生も暇なら手伝ってよ!」

私も負けじと、顔を近付ける。


「なんだよ?お前が可愛く、先生お願い〜ってキスしてきたら手伝ってやってもいいぜ?」


「ばっ…ばかじゃないの!?」


私は顔が真っ赤になった。

そんな私を見て、余裕の笑みをこぼす先生。

その意地悪な笑顔のせいで、私はますます恥ずかしくなる。


「も、もういいよっ!ひとりでやるから!」


「くっくっ…可愛いなお前は。手伝ってやるよ。キスはまたの機会にな。」


そう言って先生は、私の唇をペロッとなめた。

私は驚いてビクッとする。

それを見てまた笑う先生。


かすかに触れた先生の舌は、たばこの苦い味がした。


「卒業委員も悪くねーだろ?俺と遅くまで一緒に居られんだから。」



確かに。

少しはいいかも…。

そう思ってしまう自分が悔しい。



悔しさを晴らすように、私は黙々と作業を続けた。