「ちぇっ……意地悪。」


「あぁ!?いま口答えしたろお前!このままここでヤッちまうぞ!」


「ぎゃっ!!」


何てことを言うんだ。

生徒の成長を見守る先生だとは、到底思えない。

俺様で、口が悪くて、強引で…。

それでも私の大切な彼氏なのだ。



先生が教卓に座り、たばこに火をつける。

他の先生に告げ口したら殺す、と言わんばかりに私をにらむ瞳。

…この不良教師め。

思わずため息が出る。


「七瀬、あとどんくらいかかるんだ?」

たばこの煙をフッと吐き出し、先生が私に尋ねる。

「んー、わかんない。とりあえずこれを全部はさんでホチキスで綴じて…。」


目の前には冊子になる前のプリントの山。

先生の命令で卒業委員になってしまった私は、この仕事が終わらないと帰れない。


「お前が帰れないってことは、俺が帰れないんだよ。」


ぶすっとむくれる先生が、嫌味っぽく顔を近付けてきた。