寒い寒い冬が終わる。

明日から3月。

私はもうすぐ中学を卒業する。


「中学生活も終わりかぁ…。」

ため息をつきながら、教室を見渡す。

大切な仲間と過ごしてきたこの教室とも、お別れ。

誰もいない教室は、思い出のつまったいい匂いがする。


「おい、早く仕事片付けろ。ダメ卒業委員め、もう7時じゃねーか。」


担任の藤咲先生が、文句を垂れながら教室に入ってきた。


「こんなのひとりで出来るわけないじゃん!大和も少しは手伝ってよ。」

まだ綴じ終わっていない大量のパンフレットをパンパンと叩く。


「はぁ?出来ないじゃなくて、やるんだよタコ。それに学校では大和って呼ぶなっつってんだろ。」


「そ、そんなぁ…。」


「俺の彼女なら、こんくらいどうってことないよな?なぁ、七瀬ちゃん?」


普段は、優しく頼れる担任の先生。

でも本当は、とっても意地悪な私の彼氏!