あたし恋をしてるかも【恋愛短編集】



「もう、アホなんだから杏は。」


「な、なにー!?」


まさか、まさか。

アホの修に、アホ呼ばわりされた私。


悔しいけれど、今日ばかりは言い返せない。


「ふんっ!」


反撃の出来ない私は、ぷいっと顔をそむけた。

私の、精一杯の反抗。


それを見て修は、がしがしと私の頭を撫でた。



いつもいつもアホな修。

だけどたまに、こうやって足元をすくわれてしまう。


私たちは、こうやってバランスがとれているのかな。

これからは、私ももう少しだけ、素直になろう。

もう少しだけ、優しくなろう。

修と、ずっとずっと、仲良くするために…。


そう誓った、誕生日であった。







「それよりさ、杏。さっき、私もしたいけど…って言ったよな?」


「えっ!?」


「あれ本当か!?してもいいのか!?」


「や、違っ…!」


「やっと俺とする気になってくれたんだな、杏!よっしゃー!!」


「もう…もう…!だまれー!!修のバカ!アホ!死ねー!!」



もう!

やっぱり、優しくするのなんかやめた!


修の、アホ!!


でも…好き。









End