あたし恋をしてるかも【恋愛短編集】



つい熱くなってしまった私は、修に連続技をしかけた。



1Hit!

2Hit!

3Hit!

4Hit……


ブチッ!



「はぁ!?」


修の人差し指が、ゲーム機の電源を容赦なく押していた。


「ちょっ…修こらー!」


「そうだそうだ、杏!忘れてた、いいことしてやるよ!」


目を泳がせながら、必死に取りつくろう修。

その様子を見た私は、怒る気も失せてしまった。


負けそうになったから、強制終了って…。

どんだけ子供だよ!


私の怒りなんか少しも気にとめず、修は自分の話をすすめた。


「今日はこれがやりたくて来たんだった!杏、とりあえずベットに座れよ!」


修が強引に、私をベッドへ座らせる。

やれやれ。

何を考えているか知らないけど、私は一応それに付き合う。


「はいはい。座ったけど?」


「よし。そのまま目をつぶれ!」


「へ?目を?なんでそんな…」


「いーいーかーら!ほら!」


私は無理やり、まぶたを閉じさせられた。