ニャー


学校からの帰り道、小さな小さな黒猫を発見。

まだあどけない声で鳴く猫は、お腹がすいているのか、私を見つけて歩み寄ってきた。


子猫って、なんて可愛いんだろ…私はうっとりと可愛らしい顔を見つめていた。



ダダダダダダ!!


すごいうるさい足音が聞こえる。

この足音…絶対に、修だ。


「不吉な黒猫めー!!杏から離れろー!!」


ものすごい勢いで走ってきた修は、これまたものすごい勢いで子猫を追い払った。


「ちょっと修!なにすんのよ!」


「はぁ、危なかったな…杏。黒猫を…裏切ると…死ぬぜ。はぁ…。」


「はぁ!?」


息を切らして意味不明なことを言うこの男は、幼なじみの修一。

そして残念なことに、私の彼氏だ。


「あのねぇ、それを言うなら黒猫に横切られると不幸になる、でしょ!」


「そうそう、それだ!杏ってば危なかったな!」

アホか。