「俺こそごめんね、綾さん。」
いつもの笑顔に戻った太陽は、私の体をゆっくりと起こす。
「ね、帰ろう?」
そう言って手をつないだまま、一緒に立ち上がった。
太陽の、温かい手。
ずっとつないでみたいと思っていたその手は、私が思っていたよりずっと大きかった。
「太陽、ありがと。私…。」
「ん?何が?」
弱虫で頼りないと思っていた年下の彼氏は、本当は私よりもずっとしっかりしていた。
そして私のことを何よりも大切に思ってくれている、優しい男の子だった。
不器用な私たちは、うまく進まない恋愛に戸惑うことが多い。
だけど衝突をすることで、今日のように解決をすることもあるのだ。
焦ることはない。
私たちは私たちのペースで、ゆっくり恋をしていけばいい。
ゆっくり、ゆっくり。
輝きながら沈んでいく、あの夕日のように…。
End