あたし恋をしてるかも【恋愛短編集】



状況が理解できず、呆然とする私。


そんな私に、太陽は乱暴なキスをした。


「本当に…本当に好きだからこそ、手を出せないんじゃないか!」


真剣な顔で怒鳴りつける太陽は、いつもの弱虫な後輩ではなかった。



「俺だって男だ!キスもしたいしその先もしたい!軽い気持ちでしよいと思えばできるけど…。そうじゃないでしょ、綾さん?」


太陽はとても切ない顔をして、床に倒れる私の頬をなでる。


「俺にとって綾さんは、そうじゃないんだ。すごく、大切なんだよ。愛してるから。」


そう言って、今度はとても優しいキスを、私のおでこにしてくれた。



その太陽のキスは本当に優しくて、私はつまらないことをした自分が情けなくなってしまった。



「太陽、ごめんなさい…。」