あたし恋をしてるかも【恋愛短編集】



「ごめん綾さん!見るつもりはなかったんだけど、上見たら…。」


何を言っているかわからないくらいに、太陽は動揺している。

こんなにも真っ赤になっている太陽は、初めて見た。


そして、つい面白くなってしまった私のいたずら心に、火がついてしまった。



「太陽、肩車してよ。本がとれないの。」


「えっ…それなら俺が取るから…。」


「いいから!肩車してってば!」


強い口調でワガママを言う私に負けた太陽が、しぶしぶしゃがみこむ。


私は恥ずかしがる太陽の顔を見て、さらに意地悪をしてやりたくなった。


「よいしょ…。」


私が肩にまたがると、太陽はゆっくり立ち上がった。