あたし恋をしてるかも【恋愛短編集】



図書室の扉を空けると、やはり誰の姿もない。


静かな部屋の窓際に腰掛けた太陽は、早々と目当ての本を読み出した。



せっかくふたりきりなのに、いきなり読書!?

私とおしゃべりしたりとか、もっとすることあるでしょう?


やたらとイライラする。

今までは黙って読書が当たり前だったのに、こんなことで怒るなんて。

今日の私は、少しおかしい。



なんなんだろう、この気持ち。

心理学の本でも読んで解明させようか。


私は冗談まじりで、心理学コーナーの本棚へ向かった。



『誰でもわかる恋愛心理学』


本棚の一番うえに、その本はしまわれていた。


まさにこれだ!

偶然の発見に、私の目は輝いた。