あたし恋をしてるかも【恋愛短編集】



翌朝。

目が覚めても心のもやもやは少しも消えていない。


今日も放課後の図書室に行けば、太陽が待っているだろう。


特に約束はしていないが、それが私たちの日課なのだ。


だけど今日は、気が重い。


適当に嘘をついて、先に帰ろうかな。


一日中そんなことを考えていた。




考えていた、それなのに。


その日の放課後は、珍しく太陽が私を迎えに来た。


「あっ、いたいた。綾さん、図書室行こう。」


人の気も知らずに、にこにこ笑う太陽。


その笑顔に気の抜けた私は、ついつい流されてついて行ってしまった。



太陽ってば、私の気持ち全然わかってない。


わかってないを通り越して、無邪気すぎるよ、その笑顔。


思わずため息が出る。