あたし恋をしてるかも【恋愛短編集】



午後5時半過ぎ。

私たちの歩く方へと沈む夕日。


その夕日を眺めながら、太陽と肩をならべて歩いた。


私より背が高く足も長いのに、私と同じ歩幅。


一歩一歩進む私たちの足は、あかね色に染まっていた。



私がぼーっと歩いていると、太陽の手が、私の手にあたった。


「わっ!ごめんなさい綾さん。」


とっさに引っ込む、太陽の手。

そんなに焦ることないのに。


「べ、別にいいよ。手くらい…。」



手くらいつないでも…。

意地っ張りな私は、その一言がなかなか言えない。



腰が低く、シャイな太陽。

意地っ張りで素直になれない私。


ふたりのそんな性格のせいで、私たちはいまだに手をつなぐことすら出来ないでいた。


付き合って4ヶ月。

私はそろそろ、焦ってきていた。