あたし恋をしてるかも【恋愛短編集】



夕暮れの図書室で、閉館ギリギリまで過ごすふたりだけの時間。


お互いに好きな本を読み、それぞれの時を過ごす。


不思議なことに、太陽と過ごす沈黙の空間は気持ちが良い。


優しくて、温かくて、安心する。

私はこの時間が、何よりも大好きだった。



「綾さん、好きなんです。付き合って下さい。」


だから太陽から告白をされたときは、さすがの私も嬉しさを隠すことが出来なかった。




太陽と付き合い始めて、もうすぐ4ヶ月がたつ。


付き合ってからも、以前と変わらず図書室でデートをする。


もちろん、外へ遊びに行ったりお互い家に招いたり、恋人らしいデートもする。


だけど私も太陽も、この図書室での時間が一番落ち着くのだ。


口にはしないけれど、お互いそう感じる。