まさか私が一目惚れをするなんて、とてもびっくりした。 しかし昨日、そのびっくりを大きく上回る、びっくりがあった。 「うるせぇな、いいだろキスぐらい。したかったんだからよ。」 この悪魔のような言葉を吐いたのは、私の天使。 つまり麗二くん。 一緒に帰る道の途中で、強引にキスを奪われたときのことである。 「キ、キスくらいって…!てか!今まで猫かぶってたの!?」 「おー、悪いかよ。」 猫をかぶって天使を演じていた。 つまりそういうことである。