色褪せて、着色して。Ⅷ~スノードロップ編~

 人間じゃないから、いつまでも引きずらないのかもしれないけど。
 あまりにもバニラの切り替えの速さには驚くしかない。
「パーティーといいますか。お茶会になっていまいますが。いつ、またお呼びだしが掛かるかわかりませんので」
「ああ。セシルさんの誕生日パーティーっすね。是非、やりましょう」
 急すぎる展開だというのに。
 太陽様はバニラの提案をすぐに受け入れた。

「じゃあ、俺たちは寮に戻りますわ」
 トペニが立ち上がり、続いてスズメも立ち上がる。
「いやいやいやいや。みーんなでお祝いしよう」
「でも、せっかくのマヒル様のお祝いですから」
 眉毛を下げてよわよわしく言ったスズメに「いやいやいや」と私は大声をあげた。
「私の国では、人が多ければ多いほどいいのよ。誕生日っていうのは」
 口から出たでまかせだったが。
 ここにいる人間はスカジオン王国の文化を知らない。
 唯一バニラだけが、バレないようにくすりと笑った。