色褪せて、着色して。Ⅷ~スノードロップ編~

「はあ!?」
 私は基本的に太陽様の言うことを信じないようにしている。
 何故なら、太陽様はお人好しがゆえに人によく騙されるからだ。

「えー、オーロラ姫。亡くなったんじゃないんだ」

 オブラートに包まず。
 ばっさりと言い切ったのはトペニだ。
 スズメがぎょっとした表情を浮かべてトペニを見た。
「なんか。どこかの国の病院がオーロラ姫を受け入れてくれるそうで。急遽決まったんすよ」
「えっ!? それは誰情報なの?」
 思わずタメ口で太陽様を睨んでしまう。

 あんだけオーロラ姫様をまつりあげて。
 急にいなくなるなんてことある!?

「誰にも見つからないように。秘密裏に引っ越す必要がありましたんで。ハイ」
 本当かよ…。
 目を細め、太陽様を見つめているが。
 太陽様は私の視線には気づいていない。

「では、オーロラ姫様は長生きできる可能性があるのですね?」
 え、バニラ。信じているの?

 バニラの真っ赤な目から、涙が溢れだす。
 疑いながら、私は紅茶に角砂糖を1個ぽいっと投げ入れて。
 ティースプーンでぐるぐると混ぜる。
 相も変わらず、太陽様はよれよれの制服に。
 目の下には大きな隈を作っていた。
「では、太陽様。これからパーティーをしませんか?」
 泣いたかと思ったバニラが。
 急に意味わかんないことを言い出したので。
 その場にいた全員が「えっ」と声を漏らした。