色褪せて、着色して。Ⅷ~スノードロップ編~

 もはや、心の中で会話が出来るのではないかと考える。
「イチゴ様のお母様は病死したのではありません」
「うん? 生きてるってこと?」
 バニラを見て、思考が一瞬停止した。
 いや…違う。

 話の流れからして、生きているってことはない。
 ということは…?
「え? だって、病死だよ。病気を偽装なんて出来ないでしょ」
「この国に死亡解剖などという制度はありません。それに、病死に見せかける方法など幾つでもありますから」
「…うそでしょ」
 頭をぼこっと殴られたような感覚になって。
 頭をおさえた。
「…流石に、お父様のほうは違うようね?」
 イチゴたちのお父様の話は一切聞いたことはないけど。
 まさか…ね。
「うふふ。どうでしょうね」
 とバニラは微笑んだが、目が笑っていなかった。

「あの子に…そんな力があるの? なんで? どうして、そんなむごいことが出来るの?」
「簡単ですわ。手に入れたい…独占欲が支配した結果ですわ」
 バニラが声を張って言った。
 あまりにも、酷い…。
 怖い話になってしまった。