財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて

【side 蓮】

「明日また六花来るな!」

「あぁ」

碧は胸の高鳴りを隠しきれていないが、翼はそっけなく返す。

「俺、明日六花に会う前にお前達に話しときたいことあんだけど……」

俺はソファの背もたれに体を預けながら、少しだけ言いづらそうに口を開いた。

幹部室の中には俺たち三人しかいない。

他の幹部連中は外でバイクをいじったり煙草を吸ったりしていて、今この部屋にいるのは翼と碧だけだった。

翼はソファで足を組みながら経済学の本を読んでいる。

碧は椅子を後ろ向きにして座り、その背もたれに顎を乗せていた。

「何?」

翼が視線も上げずに聞いてくる。

「いや……この前の暴走の時さ。」

「ああ。」

「西園寺のリムジン見たんだよ。」

その瞬間。

二人とも顔を上げた。

「は?」

「マジで?」

俺は小さく頷く。