六月下旬。
蒸し暑い昼休みだった。
私はいつものように陽菜と昼食を食べていたのだけれど、教室のあちこちから聞こえてくる話題はなぜかまた黒龍のことばかりだった。
「昨日のあれ絶対黒龍だよね!」
「だよね!」
「やばくない!?」
私は首を傾げる。
最近よく聞く名前だ。
けれど暴走族ということ以外はよく知らない。
すると陽菜が興奮した様子でスマートフォンの画面を見せてきた。
「六花見て!」
「?」
画面には地域のSNS投稿が映っている。
どうやら駅前で痴漢騒ぎがあったらしい。
しかしその犯人を取り押さえたのは警察ではなく、黒龍のメンバーだった。
私は目を丸くした。
「暴走族が?」
「そう!」
陽菜は大きく頷く。
「しかも総長が直接捕まえたんだって!」
「ええ……」
ますます分からない。
暴走族なのに、紫苑兄様や優斗が危険だと言っていた人たちなのに、人助けをするのだろうか。
「この前もナンパから女の子を助けてたらしいしね。」
「カツアゲされているサラリーマンも黒龍に助けられたらしいわよ。」
「これだから黒龍はカッコ良いのよね〜!」
女子たちは盛り上がる。
私は完全に混乱していた。
暴走族。
怖い人。
危険。
それが私の中のイメージだった。
なのに、聞こえてくるのは良い話ばかりだ。
「不思議なこともあるのね」
私が呟くと、陽菜が笑った。
「六花は真面目だなぁ。」
「そうかしら」
「世の中って意外と単純じゃないんだよ。」
その言葉は、なぜか私の心に残った。
その日の放課後。
帰りのリムジンの中でも、私は黒龍のことを考えていた。
どんな人たちなのだろう。
総長はどんな人なのだろう。
もし本当に優しい人なら、どうして暴走族になったのだろう。
きっと関わることなんてないし、関わっちゃいけないのに、そんなことを考えている自分に少し驚いてしまった。
蒸し暑い昼休みだった。
私はいつものように陽菜と昼食を食べていたのだけれど、教室のあちこちから聞こえてくる話題はなぜかまた黒龍のことばかりだった。
「昨日のあれ絶対黒龍だよね!」
「だよね!」
「やばくない!?」
私は首を傾げる。
最近よく聞く名前だ。
けれど暴走族ということ以外はよく知らない。
すると陽菜が興奮した様子でスマートフォンの画面を見せてきた。
「六花見て!」
「?」
画面には地域のSNS投稿が映っている。
どうやら駅前で痴漢騒ぎがあったらしい。
しかしその犯人を取り押さえたのは警察ではなく、黒龍のメンバーだった。
私は目を丸くした。
「暴走族が?」
「そう!」
陽菜は大きく頷く。
「しかも総長が直接捕まえたんだって!」
「ええ……」
ますます分からない。
暴走族なのに、紫苑兄様や優斗が危険だと言っていた人たちなのに、人助けをするのだろうか。
「この前もナンパから女の子を助けてたらしいしね。」
「カツアゲされているサラリーマンも黒龍に助けられたらしいわよ。」
「これだから黒龍はカッコ良いのよね〜!」
女子たちは盛り上がる。
私は完全に混乱していた。
暴走族。
怖い人。
危険。
それが私の中のイメージだった。
なのに、聞こえてくるのは良い話ばかりだ。
「不思議なこともあるのね」
私が呟くと、陽菜が笑った。
「六花は真面目だなぁ。」
「そうかしら」
「世の中って意外と単純じゃないんだよ。」
その言葉は、なぜか私の心に残った。
その日の放課後。
帰りのリムジンの中でも、私は黒龍のことを考えていた。
どんな人たちなのだろう。
総長はどんな人なのだろう。
もし本当に優しい人なら、どうして暴走族になったのだろう。
きっと関わることなんてないし、関わっちゃいけないのに、そんなことを考えている自分に少し驚いてしまった。

