財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて

 昨日はお腹を何度か殴られただけだったからお父様の理想の娘にちょっと近づけたのかな、なんて思いながら。

 その時だった。

 「お嬢様、お時間です」

 部屋の外から優斗の声が聞こえた。

 「……今行くわ」

 私は鞄を持ち上げる。

 思ったより軽い。

 それなのに気持ちは重かった。

 リビングへ向かうと、私の見送りのために、紫苑兄様と玲央兄様が待っていて下さった。

 お父様は、昨日私の躾が終わった後、すぐに空港に向かってジェットで飛び立ったらしい。