財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて

【side 碧】
六花の誕生日当日、僕たちと六花は午前10時に東京駅の丸の内中央口の前で待ち合わせをした。

そわそわしていた僕たちは、約束の20分前には駅に着いてしまい、リムジンから降りて今日の観光コースの最終確認をしていた。

10分前になると、黒塗りの
The Mercedes-Maybach S-Classが、鈍い光を放ちながら静かにコンコースに侵入してきて。
流石の存在感に、通行人も何者が乗っているのかと立ち止まってガン見している。

もちろんそれは西園寺のリムジンで。

運転席から出てきた初老の紳士が後部座席の扉を開けると、六花が出てきた。

六花は僕たちの方へ歩み寄って来て、不思議そうに周囲を見回している。

「今日はボディーガードはいないの?」

「ああ。父さんの許可を取ったんだ。俺たちみんな空手と柔道の有段者で、ボディーガードとタイマン張ったら勝てたから。」

翼が言うと六花は、「えぇ〜すごい!」とブラウンの瞳をきらきらさせている。

六花はルビーレッドのスカートに、同じ色のボウタイ付きのブラウスとシューズを合わせている。

薄くメイクもしているのかな?

とにかくいつも以上にすごく可愛い。

六花も今日を楽しみにしてたって思っても良いのかな。