財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて


「え、道明寺、道明寺翼なの!?その翼くんって。」

目を見開いて固まっている陽菜。

「…そうだけど。陽菜、知っているの?」

「知っているっていうか、すっごい有名人よ!!私はまだ見たことないけど。だって、あの黒龍の総長だもの!!イケメンだし高身長だし、喧嘩も黒龍の中では一番強いっていう噂よ!
夏休みも何人ものJKに迫られていたんだけど、本命がいるからって全部冷たく断っていたらしいの!そのつれない感じもカッコ良いんだけどね〜。その本命って絶対六花よ。いいな〜翼くんと結婚できるなんて。」

「ま、まだ決まったわけじゃないから……!」

「とにかく、私は道明寺翼と六花の恋を応援するわ!これ、さっき友達に貸してたのが返って来たんだけど、六花もぜひ読んで!恋愛の超基本がわかるから!」

陽菜が私に渡してくれたのは、

『恋愛心理テスト&モテ・テク10選!トキメク小話(こばなし)付き』

という単語帳くらいのサイズの本。

「六花がこのモテ・テクを実践したら、道明寺翼も六花の気持ちに気づいてきっと告白してくれるわ。とにかく、まずはこの本を読んで、近いうちにデートに誘っちゃいなさい!」



*****


5、6限の授業は全然集中できなかった。

翼くんの本命ってほんとに私なのかな。そうだったらいいなぁ。

ていうか私ってほんとに恋してるのかなぁ。だって優斗も紫苑兄様も玲央兄様も翼くんも蓮くんも碧くんも大好きだし。

翼くんへの好き、は、他の人たちへの好き、とは違うのかなぁ。

こんなことを頭の中でずっと考えていたから。