財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて

「真っ赤じゃないわ!」

「可愛い。」

「碧くん!」

「可愛い。」

「むぅ」

私が拗ねると、前の席から蓮くんの笑い声が聞こえた。

「はいはい、碧はその辺にしとけ。」

そう言いながらも、蓮くん自身もどこか楽しそうだ。

翼くんだけは窓の外を見ながら黙っていたけれど、その横顔は普段より少しだけ柔らかく見えた。

やがて、車は大きな門の前で速度を落とす。

私が思わず窓へ顔を近づけると、その先には豪邸が見えた。

「わぁ……。」

思わず声が漏れる。

白い洋館。

手入れの行き届いた庭園。

大きな噴水。

そして、屋敷の奥には青く輝く巨大なプールまで見えた。

「三宮家ってすごいのね……。」

私が呟くと。

蓮くんが肩を竦める。

「まぁ金持ちだからな。」

「あなたたちも十分金持ちでしょう。」

「俺らと六花はもっと金持ちだろ?西園寺財閥も道明寺グループも日本4大財閥に数えられるんだから。」

「威張ることじゃないでしょ!」

そんなやり取りをしているうちに、車は屋敷の門をくぐり、正面玄関の前へ到着した。

ドアが開く。

真夏の空気が流れ込んでくる。

私は深呼吸をしてから車を降りた。