待てない、夏!

矢部先生との写真も終わり、

「よし!
場所変えて飲みに行くぞ!」

と声が掛かった。

久しぶりのみんなの笑顔。

なんかいい。

名残惜しく
グラウンドを眺めていたら、

「そうやって
いつも由夏は見てたよな」

陸先輩が言いながら、
私の隣に立った。

「本当に懐かしいです。
五年ぶりなんて信じられないです」

懐かしいはずなのに。

記憶は
こんなにも鮮明に残っている。

なんだか不思議。

時間だけが
止まっていたみたい。

「陸先輩。私ね、
ここから走る姿を見るのが
好きだったんです」

「誰の?」

本当に、その質問します?

先輩の口元が
少しだけ上がる。

「知ってるよ」

その答えに、

陸先輩の横顔を
見ることしかできなかった。