余所者-よそもの-【 2 】



──そうして、最悪な空気の中。

ユキがやってきた。


ユキは入ってきた瞬間、フロア全体に一度だけ目を走らせた。


リンコの不満気な顔。

凍り付くサンコンと、バン。

そして、情けなく立ち尽くす私。


それだけで全てを察したみたいに、ユキはリンコの腰に手を添えて「座ろう」と促した。


二人が並んでソファに腰を下ろした。

会話までは聞こえないものの、ユキは終始リンコを宥めているようだった。

それでもリンコは納得がいかないらしく、何度も身振りを交えて何かを訴えている。


「………」

とても居たたまれない気持ちの中。


フロアのBGMはひとつの曲が終わり、次の曲へと切り替わる。

その束の間の静寂に割り込んだ、リンコの声。



「アタシ、あの子嫌ぁい」



そう言って、ビシッと向けられた指の先。

そこにいたのは、──私だった。


え?
なんで私?

自分が何も悪くないなんて思ってない。

それでも『嫌い』の一言は、理不尽に感じる。