余所者-よそもの-【 2 】



「でもさ、でもさ?」


キラキラとした瞳でこちらに身を乗り出してきたリンコ。

一気に近づく、隙なく整った顔。


ぱっちりと上がったまつ毛に飾られた、大きな瞳。

がっつり開いた胸元は、今にも豊かなバストが零れ落ちてしまいそう。


その見た目に圧倒されながら「な、なんですか?」と尋ねると、困ったように眉を寄せた。


「ユキちゃんって、モテるじゃない?」

「そうですね」

「だからアタシ心配で」

「そうですよね」


「あーんないい男なんだし、独り占めできるなんて思ってないんだけど」

妙に謙虚。

それでいて、余裕を感じる物言い。

「はあ」と曖昧な返事をした。


「実際、他にもいっぱい女いるし」

「……そうなんですか?」


ユキはたしかにモテる。

でも、どれも『客』と言っていて、彼女とか、そういう特定の女性関係のことを私は聞いたことがない。

リンコが初めてだった。


「そうよ?客ともよく遊んでるじゃない」

そうなんだ……。


なんだか、複雑だ。

ユキは私にとって雇い主だから。

こういう生々しい話を聞くのは、少し気まずい。