余所者-よそもの-【 2 】



「カナコ」

やり残したフロアの準備をしていると、ふいにリンコに呼び止められた。

私は小さく返事をして、テーブルの前に立つ。


「一緒に飲みましょうよ」

リンコは妖しく微笑みながら、自分の座っている隣をポンポン、と叩く。


テーブルの上では、すでにシャンパンが開けられていた。

私は自分のグラスだけを持って、言われるがままにリンコの横に腰かけた。


乾杯をして一口飲むと、ちらりとリンコを盗み見る。


何を話そうかな、なんて考えたのは一瞬。

開口一番の話題はあまり迷わなかった。


「リンコさんって、ユキさんとどういったご関係なんですか?」


これが一番わかりやすく、差し障りのない質問。

……と、思ったんだけど。


「ええ……。そんなの、わかるでしょ?」


まるで恋する少女のように、リンコは長いまつ毛をふっと伏せた。


このリアクション。

浮かぶ関係はたった一つしかない。


……なんでだろう。

聞かなきゃよかったって思った。


「そう……ですか……」

適当な相槌になってしまう。