けれど、その日。
夕食の時間を過ぎ、日付が変わっても。
私が、帰る時間になっても。
どれだけ待っても。
ユキが帰ってくることは、なかった。
「………」
すっかり冷めきってしまった二つのハンバーグを、冷蔵庫の奥へと押し込む。
──『来週はいつ俺んち来る?』
──『じゃあ水曜日』
私はユキの家を出た。
AnBarまでの帰路。
歩き慣れたはずの道が、やけに遠く感じる。
遠いって思うのは、もしかしたら辿り着きたくないって思っているからかもしれない。
AnBarの重たい扉を開き、中へ入る。
二階へ続く階段を、ゆっくりと上がった。
「もう、いやだ……」
私の部屋は、今日もやっぱり生ごみがベッドを汚していた。


