「お疲れ」
「……お疲れ、さまです」
咄嗟に、視線を地面に落とした。
「ユキちゃん、だぁれ?この子」
「店の従業員」
「ああ、この先のクラブの?」
「そう」
ユキと並ぶくらいに高身長なその人が、チビな私に合わせてゆっくりと腰を屈めた。
ふわっと髪から漂った甘くて上品な香りに、女っぷりの良さを感じる。
「あなた、何ちゃん?」
「カナコです」
「カナコちゃん。あたし、リンコ」
「はじめまして……」
挨拶をすれば、色っぽい唇が緩く弧を描いた。
「やぁだ、仰々しい。ユキちゃんのお店の子でしょ?これから長い付き合いになるかもしれないのに」
……それって、どういう意味だろう?


