余所者-よそもの-【 2 】



翌日。
夕方の出勤時間。

更衣室でバンと顔を合わせることになった。


「クッセ」

私を見るなり鼻をつまみ、あからさまに嫌悪感をむき出しにする。

昨日、私の部屋のベッドにゴミを撒き散らかしたのは、バンで間違いなさそう。


「何の用だよ、ゴミ女」

「今日、シフト入ってるし……」

「よくも俺の前にツラ出せたな?」


睨みつけてくるその目には、怒りの感情がギチギチと滲んでいる。

私は、敵。
もう、そう認識されている。


「俺、誤解してたわ。お前はもしかしたらちょっとイイヤツなのかもって」

「………」


「この……裏切りモンが」


バンは吐き捨てると、私を睨みつけたまま、すれ違った。


「……なぁ」


更衣室を出る寸前。
閉ざされた扉の前で、バンが足を止める。


「なに……」

「教えてくれよ。あんな男の何がよかったんだ?」

「………」

「あんなの人間じゃねぇ。悪魔じゃねぇか」


憎くて、憎くてたまらない。

シドも、シドの近くにいる人間も。

震える声は、そんな風に私を責めた。