翌日。
夕方の出勤時間。
更衣室でバンと顔を合わせることになった。
「クッセ」
私を見るなり鼻をつまみ、あからさまに嫌悪感をむき出しにする。
昨日、私の部屋のベッドにゴミを撒き散らかしたのは、バンで間違いなさそう。
「何の用だよ、ゴミ女」
「今日、シフト入ってるし……」
「よくも俺の前にツラ出せたな?」
睨みつけてくるその目には、怒りの感情がギチギチと滲んでいる。
私は、敵。
もう、そう認識されている。
「俺、誤解してたわ。お前はもしかしたらちょっとイイヤツなのかもって」
「………」
「この……裏切りモンが」
バンは吐き捨てると、私を睨みつけたまま、すれ違った。
「……なぁ」
更衣室を出る寸前。
閉ざされた扉の前で、バンが足を止める。
「なに……」
「教えてくれよ。あんな男の何がよかったんだ?」
「………」
「あんなの人間じゃねぇ。悪魔じゃねぇか」
憎くて、憎くてたまらない。
シドも、シドの近くにいる人間も。
震える声は、そんな風に私を責めた。


