余所者-よそもの-【 2 】



「昔、俺への報復に利用された。身も心も全部壊されちまった」

「………」


「だから……どうしても、駄目だ」

「なにが……」


「お前が、俺のせいで誰かに傷つけられることが」


『耐えられない』、そう言葉が続いた気がした。


今、話しているのは、シド自身の中にある罪の意識。

シドも、怖かったのかもしれない。


衝動的になって私を傷つけたのも。
今、こうして謝るのも。

全部、カエデという彼女に対する後悔からくるもの。

きっと、自分に向けられたものじゃない。


そう考えれば、すっと胸が軽くなった。


不思議と、そこに虚しさや悲しさはない。

ただ、ずっと抱えていた疑問が解けていく感覚だけがたしかにある。


「シドも……私と一緒だったんだね」


シドが私を慰めたのは、私の気持ちがわかるから。

消えない罪悪感が、苦しくて苦しくてたまらなくて、だから放っておけなかった。


醜い、醜いと思っていた自分の存在が。

もしかしたら。
少しでも、シドの何かを癒していたのかもしれない。


そう思えば、やっと。

真っ直ぐに、シドの瞳を見つめることができた。