余所者-よそもの-【 2 】



シドはチェアに深く座り直し、ガシガシと頭を掻いた。
そのまま片手で頭を抱え込む。

その横顔には、動揺が滲んでいる。


私はチェアに座り直し、目の前の水を一口飲んだ。


「カエデは……女」

「シドの彼女?」


「病気だ」

「……病気?」


「心の病気。ここ2年は施設に入ってる」


私は「そう」とだけ返した。

この話をどう受け止めればいいのか、わからなかった。

だから、どう言葉をかければいいかも、わからない。


私はシドにとって、会って肌を重ねるだけの存在。

シドに彼女がいること自体、意外でも驚きでもなかった。


ただ、カエデについて話すシドの横顔がとても辛そうで。

だったらこれ以上、聞く必要もない。


「もういいよ」


そう言うと、カウンターの上に置いていた私の手を、シドがぎゅっと握った。