余所者-よそもの-【 2 】



「………」

私は髪を撫でられるたび、ゆっくり、ゆっくりと両腕をシドの大きな背中に回していった。

抱き合う格好になれば、シドはまたぐっと力を込めて、私を強く抱きしめる。


私の息は、苦しいまま。


「シド?」

「……なんだ」


呼べば、返事をしてくれる。

だから。
尋ねることにした。



「『カエデ』って、誰?」



その名前を口にした途端。

私を包んでいた腕の力は、じわじわと弱まっていった。


片方の腕がすとん、と私の背中から落ちて。

もう片方は名残惜しそうに撫でてから、やっぱり離れた。


「………」
「………」

腕が離れれば、私たちの間には距離ができた。