余所者-よそもの-【 2 】



呆気にとられていると、シドは片腕で私を抱き寄せた。

噛み痕の残る首筋に顔を埋めて、ゆっくりとした一呼吸を耳元で聞かせる。


「たまに、ありえねぇくらい頭に血が上るときがある」

「………」


「俺がお前に、何をしたかはわかってる」

「………」

「だから……悪かった」


らしくない、ぶっきらぼうな謝罪。


「………」

沈黙を重ねるたび、強まっていく腕の力。

私を包むこの腕に、どう答えればいいかもわからず。


苦しさから逃げるように、口を開いた。


「こわ……かった」

そう漏らせば、もう片腕が私の背中に回った。


強く腰を引き寄せられ、お尻がチェアからずり落ちる。

シドの膝が椅子代わりになって、私の身体を下から支えた。


「嫌……だった」


不安定な姿勢。

咄嗟にテーブルに突いた手を、シドが掴んだ。
そのまま、自分の背中へと導いていく。


「ああ。全部、俺が悪い」


シドはそう言って、私の後頭部に大きな手を回す。

よしよしと、何度も髪を撫でていく。