沈黙を割ったのは、衣擦れの音。
びくりと身体を震わせた。
視界の端で、シドの腕が動く。
「……な、に……?」
シドの指先が、私の肩にかかる髪を、後ろに払った。
距離を取るように後ろへ仰け反ると、追ってきたその手が、私の襟首を掴んだ。
「………」
俯き、両手を丸めた。
「悪かった」
「………」
その声に、ゆっくりと顔を上げていく。
シドは、掴んだ襟元を少し広げ、私の首筋を覗き込んでいた。
そこは、シドに噛みつかれた場所だった。
「え……?」
何を謝っているのか。
どうして謝っているのか。
理解するまでに時間がかかった。
傷痕を見るシドの表情は、どこか苦しそうに眉を寄せている。
……なんで、シドがそんな顔をするの?


