余所者-よそもの-【 2 】



「………」

シドの顔は見れない。

正面で飲み物を入れる手元を見つめて、カラン、カラン、とグラスに氷が落ちる音を聞いていた。


やがて、シドは私の隣に静かに座った。

カウンターには二つのグラス。


私の前に、透明のお水が置かれた。


「………」

「………」


シドはなかなか話そうとしない。

膝の上に手を乗せじっとする私の横で、ただ静かに煙草を吸っている。


隣から吐き出される紫煙が、酒瓶の棚の手前で広がり、溶けるように消えていく。

私はその紫煙をぼうっと眺めながら、どうしてシドが今日この時間、私を呼んだのかを考えていた。


いつもは、会えばすぐに抱き合った。

こんな風にカウンターに並んで座るのは、初めてのこと。


ここで話をしようとしていることはわかる。

何を話すんだろう。
何を、言われるんだろう。


シドはきっと、私が連絡を無視し続けたことに腹を立てているだろうから。

怒鳴られて、なじられて、脅されて。
それから。

乱暴にあの部屋に放り込まれて、夜まで帰れないのかもしれない。