余所者-よそもの-【 2 】



「……帰れ」

「すません、すません。大した用事じゃねぇんで」


「ここに、入るな……」

「まぁまぁ、そう言わず」


「これ以上、こっちに来るなッ!!!」


「僕の目的なんてすぐですから。……ちょっと、大人しくしといてもらえません?」


野間の細い目が、刃物のように鋭く光った気がした。

低く唸り続けるバンは、拳を構えた。


「これ以上、寄るなっつってんだろうが……ッ!!!」

「あー……おけっす。前にあんだけボコられて、まだ懲りてねぇんすね」


呆れたような声。
野間は、ゆっくりと肩を回した。

その右腕に昇る龍の刺青は、今にも暴れ出そうと躍動しているように見える。


交戦の、寸前。

バンの踵が床からわずかに浮き上がったのと、同時。


ドォンッ!と、サンコンが土足でカウンターに飛び乗った。

その縁を蹴り、バンの背後へ一直線に跳ぶ。


「──……やめましょう」


ドサリ、と床に倒れたバンの小さな背中に、サンコンの巨大な膝が重くのしかかった。


「ハ……ナァ……セェェェ……!」

バンはサンコンの下でジタバタと暴れている。