「んじゃ俺、買い出しいってくるわー」
買い出し用のポーチを持ったバンが、出入口に向かった。
そうだ、私も働かなきゃ。
仕事、仕事……。
「──……出ていけっ!!!!」
突然のことだった。
バンの絶叫が、店内に響き渡った。
声の方を振り返ると、バンが立っているのは、正面出入口の通路に入る手前。
その背中は、まるで縄張りを荒らされた狂犬のように、殺気立っていた。
……誰か、入ってきた?
開店前の、この時間。
顔を見るなり、バンが噛みつく相手。
まさか──……。
「いやぁ。お邪魔します」
まだ照明の点いていない、奥の通路から。
闇に浮かび上がるように姿を現したのは──野間。
ペコペコと会釈をしながら歩き、立ちはだかるバンのすぐ目の前で足を止めた。


