余所者-よそもの-【 2 】



画面を見ると、発信者は『野間くん』からだった。

全身の血が一気に冷えた気がした。


「どうした」

目の前のユキが尋ねる。


「いえ……」

私は咄嗟に、スマホを胸の前に伏せた。


──ブー、ブー。
──ブー、ブー。

そのまま胸の前でボタンを長押しにして、電源を切った。

静かになったスマホを、後ろポケットの奥深くに突っ込む。


「………」


私はあの日以来、Re:bidoに一度も行っていない。

もう二週間は経ったと思う。

頬の殴打痕はすっかり治ったし、首の噛み痕は残っているけど、傷こそ癒えた。


その間。
何度も何度も、シドから、そして野間から着信が入った。

街に出れば、野間に直接声をかけられることもあったけれど、どれも全部無視をした。


……今はどうしたって、シドに会う気になれない。


理由を聞かれても、上手く言葉にできないから。
結果的に話すことすら避けてしまっている。

あの夜のことは……思い出したくない。