余所者-よそもの-【 2 】



ユキはやっとカウンターチェアに腰かけた。


「サンコン、飯」

「何にしますか?」

「何がある?」

「炒飯か、たこ焼きか……パスタ。今はこのあたりですかね」


ユキは少し不満そうな顔をした。

AnBarには調理設備がないから、食事と言えばレンジで温める冷凍食品か、出来合いのもの。

どうしたってレパートリーが偏ってしまう。


「じゃあ、炒飯」

ユキは頬杖をついたまま、私の方に身体を向けた。


「かぁこ」

「はい」


「今度、ハンバーグ作って」

「いいですけど……次はいつお家でご飯食べれそうですか?」


「来週はいつ俺んち来る?」

「ちょっと待ってくださいね」

ジーンズのポケットからスマホを取り出し、スケジュールを開く。


「来週は月曜日と、水曜日と、日曜日です」

「じゃあ水曜日」

「わかりました」

スケジュールに『ハンバーグ』とだけメモをつけた。


ハンバーグか。

あとで美味しそうなハンバーグのレシピを探してみよう。


そんなことを考えていると、手元のスマホが振動した。

──ブー、ブー。
──ブー、ブー。

着信だ。
なかなか、止まらない。